｢痛い、出ない!｣母乳トラブル解消の妙技（桶谷式母乳マッサージ）

マミちゃんが福島の助産婦さんから実践的な桶谷式母乳マッサージを教わった。

その４年後に、専用の治療室を備えた治療院を新築し、正式にメニューに加えた。

治療室から出てくる患者さんが皆「良くなった」と笑顔なので、

どんなことをしてるのか聞いてみた。

「ねえ、乳腺炎ってどうやって治すの？」

「おいしいものを食べると、母乳の脂肪分が増えて細い乳管が詰まるのね。

すぐに飲んでもらえないと、乳腺に母乳がたまって炎症を起こすの」

「吸ったら出ないの？」

「まずいと赤ちゃんが飲んでくれない。だから温めたタオルで乳頭をほぐして、

脂肪を溶かしてから絞る。仕上げに赤ちゃんに吸ってもらうのが一番」

「授乳中は粗食がいいってこと？」

「そうね。ケーキとか食べたら、早めに搾乳するか、

赤ちゃんに飲んでもらうのがコツ」

「飲ませ方にもコツがあるの？」

「いつも同じ抱き方だと、吸われない乳腺が乳腺炎になるので、

いろんな抱き方を教えてあげるのよ」

「乳首が痛いって聞くけど…」

「赤ちゃんの吸う力って強いから、乳首の皮がむけて痛いのよ」

「どうするの？」

「搾乳して哺乳瓶で飲ませて、傷が治るのを待つの。

代謝がいいから回復も早いわよ」

「赤ちゃんのお口が離れないんだよね」

「授乳中、乳首は赤ちゃんの喉まで伸びて、しかも真空状態。

だから、口の横から指で空気を入れて離すのね。それを知らないと乳首を傷めるわね」

「母乳が出ないときは？」

「乳房をゆすって胸壁からはがすように動かすと、根元の血流が良くなるから、

あとは吸われることで、だんだん出るようになるのよ。

ただ、出てる量が見えなくて不安になる人が多いわね」

「どうやって確認するの」

「絞って見せれば一目瞭然よ。子どもの月齢と体重、

授乳回数とミルクの飲み具合を聞けば、足りてるかどうか判断できるわ」

「すごいね。母乳マッサージには、いろんな知識と技術が詰まってるんだね」

「母乳育児は、母子ともに良いことづくめでお勧めよ。

自然な営みなので、一人ひとりに合わせて、しなやかなサポートが大事ね。

私の経験も活かせるので楽しいわよ」

「ところで、授乳してるときってどんな気分？」

「餌になった気分ね」