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腕まくりが原因だった手のしびれ

  • kazzh14
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

登山後の腕の不調。アームカバーによる神経圧迫が原因だった症例の象徴的な一場面
登山後の腕の不調。アームカバーによる神経圧迫が原因だった症例の象徴的な一場面

70歳・男性

 登山から帰宅後、紙をめくろうとした際に右親指に力が入らないことに気づき、「脳梗塞かもしれない」と救急外来を受診。脳には異常がなく整形外科を勧められ、翌日受診したところ「手根管症候群だろう」と言われ薬を処方されました。しかし症状と診断が合わない気がして、発症2日目に当院へ来られました。


 診ると、右母指と次指の曲げ伸ばし・開閉が困難。一方で、手根管症候群にみられる掌のしびれやチネルサインはありません。ストックのストラップも使っていないため手首の圧迫も考えにくく、症状の分布も正中神経ではなく橈骨神経の領域でした。つまり、整形外科の診断そのものが異なっていたわけです。


 まずは前腕での神経圧迫を疑い、肘に近い部位へ鍼と低周波を2回行いましたが変化なし。そこで手の専門外来を受診してもらうと、「上腕部での神経圧迫の可能性が高い」との回答。思い返すと、登山中にアームカバーのゴムが上腕中央を締め付け、さらに腕まくりで肘のあたりも圧迫していたことに気づいたそうです。


 そこで上腕中央の橈骨神経溝にも刺鍼し低周波を流したところ、指の動きが回復し始めました。リハビリも併用し、4回の治療で8割改善。最終的には、上腕と前腕の二ヶ所で神経が障害される「ダブルクラッシュシンドローム」が原因だったと考えられました。

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