手がしびれ、親指が動かない・原因は上腕の神経圧迫だった
- 2025年11月23日
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更新日:1月5日

70代・男性
手のしびれは、手首や指そのものに原因があると思われがちですが、実際にはもっと離れた場所で神経が圧迫されているケースも少なくありません。今回は、登山後に突然「親指に力が入らない」という症状が現れた70代男性の例を通して、見落とされやすい神経障害の背景を解説します。
■ 手がしびれ、親指が動かない!
患者さんは登山から帰宅した直後、紙をめくろうとした際に右手がしびれ、親指が思うように動かないことに気づきました。突然の力の入りにくさから脳の病気を心配し救急外来を受診しましたが、脳には異常なし。翌日に整形外科を受診すると「手根管症候群の可能性が高い」と言われ、薬が処方されました。
しかし、症状の出方と診断がどうも一致しないと感じ、発症2日目に当院へ来院されました。
■ 鍼灸での評価
診察すると、右母指と示指の屈伸・開閉が特に困難で、細かい動きがほとんどできません。一方で、手根管症候群に特徴的な掌のしびれやチネルサインは認められず、症状の分布も正中神経ではなく橈骨神経の走行に一致していました。
また、登山中にストックのストラップを強く握っていたわけでもなく、手首の圧迫は考えにくい状況でした。
■ 原因を探る
まずは前腕での神経圧迫を疑い、肘に近い部位へ鍼と低周波を2回行いましたが、症状に変化はありません。そこで手の専門外来を紹介したところ、「上腕部での橈骨神経の圧迫が疑われる」との診断を受けました。
患者さん自身も、登山中にアームカバーのゴムが上腕中央を締め付けていたこと、さらに腕まくりで肘周囲も圧迫していたことを思い出されたそうです。
■ 治療と回復
上腕中央の橈骨神経溝に刺鍼し低周波を流すと、指の動きが徐々に改善。リハビリも併用し、4回の治療で約8割まで回復しました。
最終的には、上腕と前腕の2か所で神経が障害される「ダブルクラッシュシンドローム」が今回の症状の背景にあったと考えられます。
■ まとめ
手のしびれや力の入りにくさは、必ずしも手首や指だけの問題ではありません。今回のように、上腕での圧迫が原因となるケースもあります。症状の出方が典型的でない場合は、神経の走行全体を丁寧に評価することが改善への近道になります。
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