top of page
ECFV (1280 x 250 px) (1).png

逆子 「お腹の中で前転させるのよ」

  • kazzh14
  • 11月1日
  • 読了時間: 2分


妊娠中の人物が室内でヨガを行っている。片脚を伸ばし、両腕を上げて側屈する姿勢で、穏やかな空間の中、柔軟性と胎児の動きを促す運動をしている。
逆子体操をする妊婦さん。妊娠中のヨガで体を整える女性。胎児の位置や動きを意識しながら、逆子改善にもつながる穏やかなストレッチを実践中。

1. 初めての逆子治療


鍼灸学校2年生の時、姉の逆子を治そうと、習い覚えたお灸を試した。

足の小指の爪の脇に5つすえるだけの治療だ。


「どう?」


「うん。少し動いた気がする」

30分ほど様子を見ていると、おなかの赤ちゃんが横向きになった。

「うわ、動いた。このまま治るのかな?」


「どうなんだろうね」


「結果がわかったら教えてね」そう言って私は東京へ戻った。


当時はこの先の知識がなかったので、結局頭位に戻らぬまま出産となった。



2006年 


2. それから28年後


患者さんから逆子の治療依頼を受けた。

マミちゃんがお腹を診て、私がお灸をすえる——

これを逆子が治るまで毎日続けることにして、再挑戦が始まった。

成功率は半々だった。

もっと確実に治す方法はないかと考えていると、マミちゃんがこんなことを言い出した。

- 大柄な人ほど成功しやすい

- 初産より経産婦の方が治りやすい

- 32週を過ぎると成功率が下がる

- 胎児の動きを感じ取れる人は治りやすい

-逆子体操は、胎児が前転しやすい方向にやるとうまくいきやすい



3. 身体の構造と成功のカギ


「なんでかね?」

とたずねる私に、マミちゃんは


「子供の大きさと、動けるスペースの関係よね。

うまくいく人は、子宮が柔らかく、胎児が動けるスペースがある人よ」


「あ、そうか。じゃあなんで前転なの?」


「水の中で宙返りするなら、前回りと後ろ回りでどっちがやりやすい?」


「胎児は丸まってるから、前回りだろうね」


「そういうこと。頭の位置を確認してから、アンパンマンのぬいぐるみを使って、

赤ちゃんが前転しやすい様に、体操の仕方をイメージさせるのよ」


「マミちゃん凄い!」


「じゃあ、何で胎児の動きを感じ取れる人が治りやすいの?」


「落ち着いている人は、子宮の緊張も強くないんでしょうね」


「ふーん。心と体が連動してるってことね」



4. 成功率7割超えへ


マミちゃんの鋭い観察眼のおかげで、成功率は7割を超えるようになった。


「ところで、お灸は何をしてるのかね?」


「まだ謎ね。三陰交の刺激で子宮口が緩むので、恐らく子宮の緊張を変えてるか、

赤ちゃんを刺激してるのかもしれないね」


マミちゃんが病院研修時代に、

産婦人科と連携しながら臨床試験や研究に取り組んだことが、

確かな成果を生み出していた。

コメント


カテゴリーメニュー

bottom of page