20年前のかかとのケガが黒幕?仙腸関節が原因の坐骨神経痛とレントゲンに写らない痛み
- 1 日前
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繰り返す坐骨神経痛の黒幕は「仙腸関節の古傷」だった?
「レントゲンでは異常なし」と言われても、痛みだけは消えない——。
いつの間にか良くなっては、またぶり返す坐骨神経痛だと思い込んでいた50代男性。今回はブロック注射をしてもすっきり治らず、鍼治療を求めて来院されました。結果として浮かび上がったのは、「仙腸関節 坐骨神経痛」というキーワードで語るべき、見落とされがちな痛みの震源地でした。
ブロック注射でも取り切れない腰下肢痛
1ヶ月前に突然動けなくなった
主な経過:
• 朝起き上がろうとして動けなくなり受診
• レントゲン検査では「異常なし」
• 坐骨神経痛として腰にブロック注射を実施
• 接骨院で電気治療を3週間続けて仕事復帰
それでも、次のような症状が残っていました。
• 前かがみで左のお尻が痛む
• 自転車に乗ると左のお尻がズキッとする
• 歩くと左下肢全体に痛みが走る
これまでにも左下肢の痛みやぎっくり腰を繰り返してきたものの、今回は特に治りが悪いとのことでした。
坐骨神経痛の治療をしても良くならないときに疑うこと
お尻の筋肉だけでは説明できない痛み
坐骨神経痛と呼ばれる腰下肢痛は、お尻まわりの筋肉をほぐすと改善するケースが多くあります。
そこで、硬くなっている臀部の筋肉に鍼を行いましたが、思ったほどの改善が得られませんでした。
「これは、単純な坐骨神経痛ではないかもしれない」
そう考え、所見を一から取り直すことにしました。
再評価で見つかった「仙腸関節の強い圧痛」
再度、丁寧に触診を行うと、骨盤の後ろ側——仙腸関節のあたりに強い圧痛が見つかりました。
そこで過去のケガについて詳しく尋ねると、
• 20年前に左のかかとを強く突いたことがある
• その頃から腰下肢痛を繰り返している
という重要なエピソードが明らかになりました。
仙腸関節への鍼で痛みが劇的に改善
仙腸関節周囲の圧痛点に鍼を行ったところ、これまで残っていた痛みが劇的に軽減しました。
おそらく、20年前にかかとを強く打った際、その衝撃が仙腸関節にも伝わり、関節を支える靱帯にダメージが蓄積していた可能性があります。その「古傷」が長年にわたって腰下肢痛の温床となり、坐骨神経痛のような症状を繰り返していたのかもしれません。
レントゲンでは見えない「仙腸関節由来の痛み」
レントゲンの役割と限界
レントゲン検査で分かるのは、主に次のようなものです。
• 骨折
• 脱臼
• 明らかな炎症や変形
しかし今回のように、
• 関節を固定している靱帯にできたトリガーポイント
• 微細なダメージの痕跡
といったものは、レントゲンには写りません。
レントゲンを撮る意味は「重大な見落としを防ぐための念のため」であり、痛みの震源地を特定するには、丁寧な問診と身体診察が欠かせません。
仙腸関節は本当に痛みの原因になるのか?
「動かない関節」でも負担はかかる
仙腸関節は骨盤の後ろ側にあり、一般的には「分娩以外ではほとんど動かない関節」とされています。
そのため、仙腸関節を痛みの原因として積極的に評価・治療している整形外科医は多くありません。
しかし、たとえ動きが小さい関節でも、
• 日常生活の衝撃や姿勢のクセ
• 過去の打撲や転倒
などによって負担が蓄積することは十分に考えられます。
その結果、仙腸関節周囲の靱帯にトリガーポイントが形成され、坐骨神経痛に似た痛みを引き起こす——という考え方が一部で提唱されています。
今回のようなケースは決して多くはありませんが、その分、見落とされやすい痛みの原因とも言えます。
20年前の“かかとのケガ”が黒幕だった可能性
今回の男性は、20年前に左のかかとを強く打っていました。
かかとに加わった強い衝撃が、骨盤を通じて仙腸関節に伝わることは容易に想像できます。
• 打撲は「自然に治るまで待つ」ことが多い
• しかし、靱帯や関節周囲に微細なダメージが残ることもある
• その痕跡が、長年にわたる腰下肢痛の「古傷」として残り続ける可能性は否定できない
「古傷が、長年の腰下肢痛の黒幕だった」という推論は、あながち間違いとは言い切れません。
まとめ:原因が見つかると、治り方が変わる
今回の症例から見えてくるポイントは次の通りです。
• レントゲンに写らない痛みは多い
• 古傷が長年の痛みの原因になることがある
• 坐骨神経痛に似た痛みでも、原因は別の場所に潜んでいることがある
• 丁寧な再評価(問診・触診)が治療の分岐点になる
「仙腸関節のトラブルで起こる坐骨神経痛」という視点を持つことで、
これまで「原因不明」「年のせい」と片づけられてきた痛みの正体が、ようやく姿を現すことがあります。
原因が見つかると、治療の選択肢も、治り方も、大きく変わっていきます。
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