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松山甘い味付け 食べ歩記

  • 5月26日
  • 読了時間: 3分
黒いお盆の上に並べられた豪華な和食定食。手前には白身魚の刺身、その隣に天ぷらの盛り合わせ、奥にはそば、ご飯、小鉢などが所狭しと並んでいる。
松山の郷土料理あれこれ

愛媛県の松山市民は、「甘いもの」が好きと言われます。


いや、好きというより、甘い味付けが“標準”と言ったほうが正しいかもしれません。


みそ汁は甘めの麦みそ。 鍋焼きうどんも甘い。 いなりずしも甘い。 ミートソーススパゲティも甘い。 ラーメンまで甘い。


ここまで来ると、もはや「甘い料理」というより “松山の気候と同じくらい穏やかな味” と言いたくなります。

テーブルの上に置かれた二つのどんぶりに入った温かいうどん。きつね揚げ、わかめ、かまぼこ、刻みネギなどがトッピングされており、横には七味唐辛子の瓶が置かれている。
じゃこ天入りのうどん松山空港の立ち食いうどん屋

◆ドラマ「虎に翼」にも登場した“松山の甘さ”


NHKの朝ドラ「虎に翼」で、石田ゆり子さん演じる主人公のお母さんが松山出身という設定でした。


そこに嫁いだ東京育ちのお嫁さんが、毎回お姑さんに味付けをチェックされるのですが、言われるのはいつもひとこと。


「もっと甘く」


お嫁さんは「これは絶対いじめられている」と思い込み、とうとう泣き出してしまうのですが、 実はお姑さんはただただ“松山の普通の味”を求めていただけ。


東京の味に慣れたお嫁さんには、それが理解できなかったわけです。


松山の甘さは、時に人間関係まで甘くも苦くもしてしまうのです。


◆実際に松山へ行ってみると…


私も松山に行ったとき、 「本当に全部甘い…!」 と驚いたのですが、なぜかそこまで違和感はありませんでした。


理由は簡単で、母のマミちゃんが岩国出身だったからです。


瀬戸内海を挟んだ向こう側、山口県岩国市。 ここもまた、甘い味付け文化の本場なのです。


◆岩国と松山の“甘口文化”は親戚みたいなもの


●醤油も味噌も甘い

山口県(特に岩国など瀬戸内側)や九州、そして四国の愛媛県は、昔から麦味噌文化が根強く、醤油もとろっと甘口。


ベースの調味料が甘いので、肉じゃが、煮魚、うどんの出汁まで自然と甘くなります。


つまり、松山の甘さは“偶然”ではなく、瀬戸内の風土が育てた味なのです。


●岩国の名物「岩国寿司」も甘い

岩国の郷土料理「岩国寿司(殿様寿司)」は、大きな木枠で作る豪華な押し寿司。


このすし酢も具材の味付けも、しっかり甘め。


松山のいなりずしやちらし寿司が甘いのと、まったく同じ系統です。


だから私が松山で甘い料理を食べても、 「うん、知ってる味」 と、どこか懐かしく感じたのでしょう。

岩国寿司の写真。四角い押し寿司の上にピンク色のデンブ。レンコン、卵焼きなど色とりどりに飾られている
岩国寿司 母の故郷を代表する料理

◆甘い味付けは“瀬戸内のやさしさ”


松山も岩国も、瀬戸内の穏やかな海に囲まれた土地。 その気質は料理にも表れています。


甘い味付けは、 ・人をもてなす気持ち ・家族のぬくもり ・土地のやさしさ がぎゅっと詰まった“文化の味”。


松山の料理が甘いのは、ただの味覚の話ではなく、 その土地の人柄そのものなのかもしれません。


おまけ写真

男性が「蛇口からみかんジュース」という看板がついた装置から、コップにオレンジジュースを注いでいる。装置の上にはみかんのオブジェが飾られ、キャラクターが描かれている。
父が松山空港で真っ先に飛びついたミカンジュースの蛇口

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