繰り返すマウス クリックで起きた腕の痛み|40代男性の鍼治療例
- 5月27日
- 読了時間: 3分

■ 「痛みは減ってきているけど、もっと早く治したい」
「2週間前から右手が痛くなり、マウスのクリックを繰り返すと悪化する。
整形外科では“頚の神経の炎症”と言われ薬をもらった。
痛みは減ってきているが、早く治したいので診てほしい」
そう言って来院された40代男性。
「痛みは減ってきているが早く治したい」 ——まあ、そういう希望もあるよね。
標準医療で満足できない人の“プラスアルファ”を提供する立場としては、
「そのうち治りますよ」とは言えず、もっと早く治す道はないかと、汗をかくことになる。
■ 「頚の神経の炎症」で説明するのはちょっと大雑把じゃない?
そもそも、頚の神経の炎症で“手”が痛くなるという説明、ちょっとあやしい。
要するに「痛みの出どころは頚だ」と言いたいのだろうが、字面通り「頚の神経炎」と取られてしまうと、思わぬ誤解を生んでしまう。
だから、患者への説明は少し時間がかかっても、医学的正確さを欠かさないようにしている。
■ 「痛いところはどこですか?」
では、正確な見立てはなんだろうか?
そこで改めて質問。
「マウスのクリックを繰り返すと、右手のどこが痛くなるのですか?」
患者さんは 前腕 を指さした。
「え?あなたにとってそこは“手”なんですね―」
こういう行き違いがあるから、実際に辛いところを本人に指示させるようにしている。
今回も、これで誤解が解けた。
■ マウスの疲労は手首の背屈が原因
“クリック”と聞くと「押す」動作をイメージするが、そっちに気持ちを持っていかれると、発痛源の探索は屈側になる。
しかし、実際には 指をマウスの上に乗せたまま、押さずに浮かせていれば示指伸筋が疲労する。
手首の背屈が強ければ、腕橈骨筋も疲労する。
クリックを繰り返すと、屈筋の方が強いので、指をもとの位置に戻す伸筋の方が先に音を上げる。
ということで、痛むのは伸筋群だ。
■ 結局「テニス肘」だった
痛い場所を丁寧に探っていくと、外側上顆炎、いわゆるテニス肘 を起こしていた。
念のため、頚の神経の出口を探ってみたり、首を動かして痛みが再現できるか試してみたが、はっきりした所見はない。
「痛みの直接的原因は肘じゃないの?」
そう思いながら、念のため頚と肘の両方に取穴して治療。
さらに、腕を休めるため クリックする指を変える ようアドバイス。
その結果——
2回の治療で痛みは半減
痛み止めが不要に
週1回×4回の治療でほぼ改善
■ これでも早く治ったほうだよ
「早く治したい」との希望だったが、終わってみれば 結局1ヶ月。
まあ、テニス肘とすれば1ヶ月はいい方だ。
患者さんも、あのまま、「頚の神経の炎症」として薬を飲んでいても、どうなのかなと?感じて鍼灸も追加したのだろう。
そういう直感は大事だよね。
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