バスケの試合で踏まれた膝の治りが悪い一番の原因を、受傷機転を再現して“骨膜痛”と見抜いた症例報告
- 17 時間前
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女子高生の膝痛:転倒と踏みつけによる受傷から来院まで
一ヶ月前、バスケットボールのクラスマッチで上級生と接触し、わざとぶつかられて転倒。
その際に右膝の内側を床につき、さらに上から踏まれて歩けなくなった。
整形外科では内側側副靱帯と半月板損傷と診断され、一週間ギプス固定と電気治療。
その後は湿布のみで経過観察となったが、歩行痛が残り運動もできないため、学校の先生が付き添って来院した。
初診:靱帯損傷を疑い治療するも改善が乏しい理由
倒れた際に右膝内側を床についたという情報から、まずは内側側副靱帯に沿った治療とテーピングを実施。しかし痛みの改善は限定的だった。
この段階で「靱帯損傷だけでは説明できない痛みが残っているのではないか」という仮説が浮かぶ。
受傷機転を再現して見えた“骨膜痛”と“本当の損傷部位”
2診目では、受傷時の動きを私自身の身体で再現してみた。
ドリブル中に後方から突き飛ばされる
前のめりに転倒
左下肢外側と両手が先に床へ
その後、右膝が曲がった状態で床に接触
その上から踏まれる
この姿勢では、右膝に強い外反力はかかりにくい。
つまり 靱帯損傷よりも“打撲による骨膜痛”が主因である可能性 が高い。
念のため外反ストレステストを行うと痛みは出ず、靱帯損傷はほぼ回復していると判断できた。
圧痛点の再評価で浮かび上がった“骨膜痛”と“鵞足部の炎症”
触診を丁寧に行うと、以下の部位に明確な圧痛があった。
膝内側の骨が触れる部分(骨膜)
鵞足部(膝内側の少し下)
これらは 打撲後に残りやすい骨膜の過敏性 と 鵞足炎 の典型的な所見である。
治療:骨膜の過敏性を取る鍼と、筋走行に沿ったテーピング
最も細い鍼を用いて骨膜の過敏性を抑える施術を行い、テーピングも靱帯ではなく膝内側の筋肉に沿った貼り方へ変更した。
治療後、痛みは急速に軽減し、4回の施術でソフトボール部の活動に復帰できた。
外傷治療の本質:受傷機転の再現が見立てを変える
今回の症例は、 「怪我をした瞬間の動きを正確に再現することが、診断の精度を大きく左右する」 という臨床の基本を改めて確認させてくれた。
外傷は、力の方向・接触部位・身体の位置関係を再現することで、見落としがちな損傷部位が浮かび上がる。
それにしても、クラスマッチで後輩を削りに来る先輩って何なんだ!
お灸据えてやるから連れてこい(ハリじいのぼやき)

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